18章 検査・治療を安全かつ正確に行う技術
問  題
正解
解  説

■腰椎穿刺による髄液採取時の看護で適切なのはどれか。
  1.ヤコビー(Jacoby)線がベッド平面に垂直になるよう体位を固定する。
  2.クエッケンシュテット試験時、頸動脈を圧迫する。
  3.液圧の測定時は浅速呼吸をさせる。
  4.検査終了後は頭部を高くして臥床させる。

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1. (○) ヤコビー線は左右の腸骨稜を結ぶ線で成人では第4腰椎の位置を通る。穿刺時は側臥位をとらせ、背部をできるだけ曲げ顎は胸につけさせる状態で、ベッドの平面にヤコビー線が垂直になるように体位を固定する。この体位で実施すれば腰椎の棘間腔を最大にあけることができ、穿刺針のクモ膜下腔への刺入を容易にまた安全にする。
2. (×) 腰椎穿刺の際に行うクエッケンシュテット試験では、両側の頸静脈を圧迫した際の髄液圧の変化をみる。頸部を圧迫すると速やかに髄液圧の上昇がみられ、圧迫を除去すると速やかに元に戻れば正常である。髄液圧の変化がみられないか、または緩やかな場合は、脊髄クモ膜下腔が遮断されていることを示す。
3. (×) 髄液圧の測定時は、圧の動揺を防ぐためゆっくり静かに呼吸させ、呼気と吸気の中間で圧を読む。また、頸部を屈曲したままでは頸静脈の圧迫により髄液圧が高くなることもあるため、体位は強い屈曲位をやわらげ、頸部、下肢を静かに伸ばし自然な体位とする。
4. (×) 検査終了後1~2時間は、枕をはずし頭部を水平にして臥床安静とする。さらに24時間はできるだけ臥床安静とする。検査後頭部を高くすると硬膜の穿刺孔から髄液が漏れ、脳ヘルニアを起こす危険性がある。

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