■患者の放射線被曝で正しいのはどれか。
1.エックス線断層撮影は単純撮影より放射線被曝量が少ない。
2.エックス線直接撮影は間接撮影より放射線被曝量が多い。
3.MRI検査では放射線被曝をしない。
4.消化管造影の透視では放射線被曝をしない。 |
3 |
1. |
(×) |
単純撮影は一方向からエックス線を照射し撮影を行うので、病変部の陰影が他の陰影と重なり、よくわからないことがある。断層撮影ではその欠点を補うために、撮影目的とする一点を軸に、エックス線管とフィルムを移動させながら撮影を行う。そのため、撮影回数も多く時間も長くかかり、単純撮影に比べて被曝量は多くなる。 |
2. |
(×) |
直接撮影は、透過エックス線を直接フィルムに感光させて撮影するのに対し、間接撮影は、蛍光板で結像されることによって得られたエックス線像をカメラでフィルムに縮小撮影する方法である。間接撮影は集団検診などで行われることが多いが、直接撮影に比べて感度が悪いため、被曝量が多くすることによってより画像の感度を上げている。 |
3. |
(○) |
MRI(磁気共鳴画像診断)は、人体を磁場の中に入れ、一定の周波数の電磁波を与えることで共鳴現象を起こし、得られたデータをコンピュータによって画像化したものである。その最大の特徴は、放射線による被曝がないこと、任意の方向の断面が容易に得られることなどである。 |
4. |
(×) |
消化管造影では、周辺の臓器にエックス線の吸収差をつけるために、硫酸バリウムなどの造影剤を使用することでコントラストを強調し、診断価値のある情報を得ている。エックス線による透視画像をモニターで観察しながら、必要なところでフィルムに撮影する方法なので、放射線による被曝は避けられず、むしろ被曝量は単純撮影に比べて多くなる。 |
放射線を利用した画像診断方法の撮影の仕組みや、それに伴う被曝の程度に関する知識が必要とされる問題である。患者が、検査や治療のために受ける被曝を医療被曝という。 |