■頭蓋内圧亢進時に観察される呼吸はどれか。
1.異常に深く規則的である。
2.呼吸と無呼吸との周期が規則的である。
3.吸気時に鼻翼が開大する。
4.吸気時に下顎が上下する。 |
2 |
1. |
(×) |
クスマウル呼吸の特徴である。糖尿病昏睡時や心不全時の換気不良時に発現し、呼吸性アシドーシスの是正のため異常に深い呼吸になり、血液の呼吸性調整がなされる。 |
2. |
(○) |
延髄にある呼吸中枢が頭蓋内圧亢進により循環障害を受け、機能障害を引き起こし徐呼吸となる。そして血中の炭酸ガス濃度の上昇に対して対応ができなくなり、無呼吸が規則的に起こる。 |
3. |
(×) |
血液中の酸素分圧の低下により低酸素血症が起こり、外気から少しでも多くの酸素を取り入れようとするため、吸気時に鼻翼を広げ呼吸をする。低酸素血症の呼吸困難時に発現がみられ、呼吸器疾患や全身性の障害による呼吸機能低下時に生じる。 |
4. |
(×) |
呼吸困難が進み、血液中の酸素分圧が低下し、低酸素血症が進み、鼻翼呼吸だけではなく下顎の上下運動をして口呼吸をすることにより、外気からの酸素を取り込もうとする。末期時にみられることが多い。 |
頭蓋内圧亢進時には頭蓋内の出血や占有物(腫瘍など)により、堅い頭蓋骨に囲まれた頭蓋内は、こうしたものに影響を受け、脳実質を圧迫し生命の危機を招く。内圧の亢進により脳内の血液循環は抑制され、髄液の循環障害を起こし、さらに進むと脳実質の浮腫を引き起こして、ますます頭蓋内圧亢進は進むため、延髄の呼吸中枢は障害を受け呼吸が抑制され弱くなる。 |