■第I心音が最もよく聴取される部位はどれか。

1.ア
2.イ
3.ウ
4.エ |
4 |
1. |
(×) |
正常であれば心臓は胸骨下からやや左に傾くように位置している。アの右鎖骨下では通常大動脈の音が聴取される。 |
2. |
(×) |
イの部位は左第1肋間であると推測でき、この部位では正常であれば肺動脈、もしくは大動脈の音が聴取される。 |
3. |
(×) |
ウの位置は三尖弁に関連した音が聴取される場所に近いが、第1音のメインは左心の僧帽弁に関連した音であるため、エの方がより第1音を聴取するのに適している。 |
4. |
(○) |
第1音のメインの音となる僧帽弁の音は、僧帽弁のある位置より、弁から出る血流が胸壁に最も近付くところでよく聴取できるため、アの左鎖骨中央線上の第4・5肋間あたりが適している。 |
心音は心臓にある弁が閉鎖したときに、心房や心室、大血管付近に血液の乱流が生じ、心臓の壁や血管に振動が起こることにより生じる。正常であれば弁が開くときの音はしない。第1音は、心房と心室の間にある房室弁(三尖弁と僧帽弁)が閉鎖する際に聴取されるが、左心が右心の約5倍あるため、右心にある三尖弁よりも左心にある僧帽弁に関連した音がメインとなる。第2音は心室と動脈の間にある動脈弁(肺動脈弁と大動脈弁)が閉鎖する際に聴取される。 |