第4章●系統別のアセスメント

問  題
正解
解  説

■寝たきり患者の呼吸音で重点的に聴診すべき部位はどれか。
 1.右鎖骨中線第4肋間
 2.左鎖骨中線第2肋間
 3.胸骨右縁第2肋間
 4.左肩甲線上第8肋間

4
1.

(×)右鎖骨中線第4肋間下には、右肺中葉があるが、長期臥床が原因の沈下性肺炎の好発部位ではない。

2. (×)左鎖骨中線第2肋間下には、左肺上葉があるが、長期臥床が原因の沈下性肺炎の好発部位ではない。
3. (×)胸骨右縁第2肋間下は、心基部にあたり大動脈弁の音が聴取される。
4. (○)左右肩甲骨線上第8肋間下には、左右の肺下葉があり、沈下性肺炎の好発部位にあたるため、寝たきり患者の場合、この領域の呼吸音の観察は重要である。

長い間寝たきりの状態になると、身体を使わないことによる影響が起きる。これを廃用症候群という。
廃用症候群の中には、全身の筋の萎縮、骨の萎縮、関節拘縮などの筋骨格系の障害が含まれるばかりでなく、精神的影響や、起立性低血圧や沈下性肺炎など全身機能の障害も含まれ、これらに関するアセスメントも重要になってくる。
沈下性肺炎とは、肺下部に血液がうっ滞し、これに感染した状態をいう。

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