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1回 授業案:第1章 妊婦の看護にかかわる技術(1)
学習項目
1. 妊婦のヘルスアセスメント
1) 問診
(1) 目的・適応
(2) 準備するもの
(3) 実施方法
(4) 評価
2) 視診
(1) 目的
(2) 準備するもの
(3) 実施方法,評価
3) 聴診
(1) 目的
(2) 準備するもの
(3) 実施方法
(4) 評価
4) 触診
(1) 目的
(2) 実施方法
(3) 評価
(4) レオポルド触診法
5) 計測診
(1) 目的・適応
(2) 準備するもの
(3) 実施方法,評価
今回の目標
妊婦のヘルスアセスメントとしての,問診,視診,聴診,触診,計測診の基本を理解でき,実施できる.
使用する教材・準備物
テキスト: ナーシング・グラフィカ31 母性看護学 母性看護技術,メディカ出版
ナーシング・グラフィカ30 母性看護学 母性看護の実践の基本,メディカ出版
人体モデル: 妊婦の腹部モデル(ファントム)
資料映像: レオポルド触診法」「子宮底長の測定」「腹囲の測定」
パワーポイント  
講義の工夫点・留意点
1. 講義とともに演習を含む.時間があればすべての学生が実施技術を体験し,その目的,実施方法,評価の視点と技術の実際をつなげて理解できるようにする.
2. 母性看護領域の技術としても重要な点のみを説明し,基本的な看護技術(コミュニケーション技法,血圧測定,身長・体重測定,腹囲計測)の具体的な説明は省く.本授業後,学生には技術習得に向けて復習しておくことを勧める.
3. 妊婦のヘルスアセスメントに用いる技術の修得に向けて,学生への自己学習課題(復習)とともに,技術の復習を勧める.
講義の評価視点
○学生への評価視点
1. 演習課題別レポートによる理解度
2. 出席状況と講義・演習への参加・取り組みの姿勢

○教員への評価視点(自己評価)
1. 妊娠経過に伴う身体の変化の理解とそのアセスメント技術に関する理解
2. 妊婦への配慮の実際に関する理解
学生への自己学習課題
○予習
1.

テキスト(P.1〜10)を読んでくる.

2. ナーシング・グラフィカ30「母性看護学 母性看護の実践の基本」(P.115〜149)を読んでおく.

○復習
1. 以下の視点について整理する.
1)問診:目的,項目,留意点
2)視診:目的,項目,留意点,評価
3)聴診:目的,項目,留意点,評価
4)触診(レオポルド触診法を含む):目的,項目,留意点,評価
5)計測診:目的,評価
2. 上記1〜5)の各技術が修得できるように復習をする.

段階
時間
指導内容
指導方法
留意点
導入
5分
学習目標の提示
板書(授業終了まで消さない)
学習目標
1.
妊婦のヘルスアセスメントとしての,問診,視診,聴診,触診,計測診の基本を理解でき,実施できる.

パワーポイント「学習目標
今回の学習を動機づける.
講義終了まで残し,終了時,学習の理解度を確認する.
第1
段階
10分
妊婦のヘルスアセスメント
板書

妊婦の健康状態をアセスメント
アセスメントの方法

1) 問 診
2) 視 診
3) 聴 診
4) 触 診
5) 計測診

説明
テキストP.2の「1 妊婦のヘルスアセスメント」を読む.
妊娠経過に伴い妊婦の身体にはさまざまな変化が生じる.このことを踏まえた上で,対象とする妊婦の健康状態が,「妊娠という負荷にうまく適応しているか」について,経時的に観察しアセスメントを行う.
胎児は母体によって生命を維持し,常に母体の影響を受けながら発育しているため,胎児の発育やwell-beingと関連させたアセスメントを行うことが重要である.

妊婦への診察は,一般的には,
問診 → 視診 → 触診 → 聴診 → 計測診 → 内診
の順で進める.

問診以外はいずれも,大きく皮膚を露出しなくてはならない技術なので,常に,妊婦への配慮を心がけることが重要で,皮膚の露出を最小限にとどめ,プライバシーの保護に努めることが求められる.併せて,適度な室温,通風がないなどの環境の整備も大切である.
妊婦のヘルスアセスメントは,ナーシング・グラフィカ30「母性看護学 母性看護の実践の基本」P.117の表10-1「妊娠経過における胎児の発育と妊婦の身体的変化」を熟知した上で,それぞれの妊娠時期に妊婦と胎児が妊娠経過に適応しているのか,逸脱しているのかを判断していく.

パワーポイント「妊婦の健康状態をアセスメント
1.
問診
板書
問診とは
妊婦の基本的情報および妊婦と胎児の健康状態に関連する心理的・社会的側面,妊娠生活の適応状態について,言語的に情報を得ること.

説明
テキストP.2の「1 問診」を読む.
問診とは,妊娠経過に関わることが考えられる,妊婦の基本的情報および妊婦と胎児の健康状態に関連する心理的・社会的側面,妊娠生活の適応状態について,言語的に情報を得ることである.

パワーポイント「問診とは
1) 目的・適応
板書
問診の内容
テキストP.2の表1-1「問診の内容」を提示する.

説明
テキストP.2の「(1)目的・適応」を読む.
問診は,具体的には表1-1「問診の内容」で示す内容について,適切に把握できるように努める.
問診で明らかになる妊婦の主観的情報のなかには,妊娠経過で特に気をつけて観察が必要なものもあり,そのため問診は引き続き行うヘルスアセスメントを的確に実施するために重要である.
妊婦健康診査は,妊婦自身が妊娠時期に応じて生じるさまざまな変化を捉え適応していく際の専門職者と関わる機会にもなっている.「妊婦にとって貴重な受診が,より有効となるための信頼関係構築の機会」としても,問診は大切な意味をもつ.
問診には,「初診時問診」「再診時問診」「分娩開始時の入院時問診」等があり,それぞれ優先される情報を収集していく.

パワーポイント「問診の内容
2) 準備するもの
説明
テキストP.2の「(2)準備するもの」を読む.

実際の「問診用紙」があれば提示する.
3) 実施方法
説明
テキストP.2の「(3)実施方法」を読む.
問診で得る情報はとても個人的なもので,プライバシーが保持できる場所とゆっくり話が聞ける時間を確保して行う.その際,必ず,実施者の姓名を名乗り,コミュニケーション技法を活用して妊婦が言語的・非言語的に表現したありのままを受け止めるように努める.
テキストP.3の,
(1) 初診時問診:妊娠を疑っている人には,それに関連した項目と基礎的情報,生活状況等を聞く.
(2) 再診時問診:前回の受診から今回までの間に起こった身体的,社会的,心理的状態を把握する.
を読む.

問診をする場,雰囲気や実施状況がわかるような動画や写真があれば視聴・提示する.
4) 評価
説明
テキストP.3の「(4)評価」を読む.

第2
段階
10分
2.
視診
板書
視診とは
妊娠が正常に経過しているか,異常をきたしていないかについて,視覚的に把握すること.

説明
テキストP.3の「(1)目的」を読む.
視診とは,妊娠が正常に経過しているか,異常をきたしていないかについて,視覚的に把握することである.

パワーポイント「視診とは
1) 目的
説明
テキストP.3の「(1)目的」の続きを読む.
妊娠経過に伴って生じる身体の変化について,視診では,妊婦の妊娠の経過が正常に経過しているか,異常をきたしていないか,視覚的に把握することである.
特に,妊娠経過に伴う胎児の成長に伴って変化する,腹部の視診が重要である.
出産後の授乳の準備としては乳房の変化で,妊娠経過に伴って生じやすい浮腫等の観察では,顔面,上下肢の観察も,妊娠経過に伴う母胎の適応状態を示す重要な項目である.

2) 準備するもの
説明
テキストP.4の「(2)準備するもの」を読む.
診察台に横臥して行う際の枕,身体の露出を最小限にするために適宜覆う掛け物を準備する.
プライバシーの保持,保温等には十分な配慮をした上で実施する.

診察台で掛け物等で覆われている動画や写真があれば視聴・提示する.
3) 実施方法,評価
板書
妊娠線
テキストP.3の図1-1「妊娠線」を提示する.

説明
テキストP.3の「(3)実施方法,評価」を読む.
妊婦はそれぞれ独自の妊娠経過を経るので,いずれの項目についても個人差を考慮して,妊娠経過を追って観察を行い,その妊娠経過をふまえて評価することが重要になる.
テキストP.3の「腹部の視診項目と評価の視点」について説明する.

腹部の形態は,丸く,卵円形であることが多いが,尖腹あるいは懸垂腹の形態のこともある.
⇒P.3のプラスα「尖腹と懸垂腹」を読む.

次に皮膚の状態をみる.妊娠線は妊娠8カ月ごろ以降,皮膚の深部結合組織が伸展・断裂することによって,皮膚に長さ5〜6cm,幅5mm程度のなめらかで光沢があり青赤色から赤褐色の線が出現する.分娩後は退色・瘢痕化して旧妊娠線と呼ばれる.そのため経産婦のなかには妊娠線と旧妊娠線とが混在している場合もある.
その他,妊娠性色素沈着がみられることもあり,腹壁正中線の特に臍部から恥丘までの部や腋窩にみられることが多くある.

妊娠中には基礎代謝が亢進することによって,発汗が多いと発疹がみられることもある
⇒P.3の「皮膚の状態」での「(1)妊娠腺,(2)妊娠性色素沈着,(3)発疹」を読む.

臍窩の状態の観察も大切で,妊娠7カ月ごろから,増大した妊娠子宮によって押し出され,浅くなり,平坦化〜隆起することもある.
⇒P.3の「臍窩の状態」を読む.

腹部の浮腫も観察されることがあり,妊娠期に胎児心音を聴取するために超音波ドプラー装置の先端(プローブ)を密着させたときの圧痕として観察されることもある.また浮腫があると皮膚に光沢が生じる.
⇒P.4の「浮腫」を読む.

腹部の静脈瘤の有無の観察も大切である.皮下を走行する静脈が拡張,屈伸,蛇行して皮膚より膨隆することもある.
⇒P.4の「静脈瘤」を読む.

妊娠後期は大きくなった胎児の四肢の動きが腹壁に伝わり波立っているように観察されることもある.
⇒P.4の「胎動」を読む.

乳房の観察も妊娠期に重要な項目であるが,詳しくは,P.13の「3 乳房の手当て」で学習する.

その他,顔面ではそばかすがより黒っぽくなる,浮腫,歯肉炎などが出現しやすいこともよく観察される.
⇒P.4の「顔面」,プラスα「妊娠雀斑」「妊娠と歯周病」を読む.

上肢・下肢では,浮腫や赤み,下肢の静脈瘤が観察されることがある.妊娠高血圧症候群の症状や腹部や陰部・腟壁の静脈瘤の有無と関連づけて観察をすることが重要である.
⇒P.4の「上肢・下肢」を読む.


パワーポイント「妊娠線
各診察項目の動画や写真があれば視聴・提示する.
第3
段階
15分
3.
聴診
板書
胎児心音の聴取
テキストP.5の図1-2「胎児心音の聴取」での聴診の図を提示する.

説明
テキストP.4の「(1)目的」を読む.
聴診には,聴診器を使って妊婦の心音や呼吸音を聴取することも含まれるが,妊娠期に重要なのは,胎児の成長・発育を間接的に評価できる,腹部の聴診(児心音の聴取)である.

パワーポイント「胎児心音の聴取
1) 目的
説明
テキストP.4の「(1)目的」の続きを読む.
妊婦の腹壁上から胎児心音を聴取し,胎児が健康であるかについて判断をする.
聴取部位は胎児の大きさや子宮内での位置によって異なり,また母体の腹壁上から胎児心音が聴取できるようになる時期は,妊娠時期,使用する聴診器の種類によっても異なるので,対象とする妊婦によっては,その妊娠時期に適切な聴診器を選択する必要がある.

2) 準備するもの
板書
聴診で準備するもの
テキストP.5の図1-2「胎児心音の聴取」での「a.トラウベ桿状聴診器」の図,P.20の図1-13「ドップラー装置」を提示する.

説明
テキストP.4の「(2)準備するもの」を読む.
妊婦の腹部の聴診は診察台で仰臥位で行う.そのため腹部を露出するので,身体の露出を最小限にするために適宜覆う掛け物,枕,聴診器,ストップウオッチを準備する.

聴診器には,超音波ドップラー装置とトラウベ桿状聴診器がある.
⇒P.4のプラスα「聴診器と使用時期」を読む.

実際には超音波ドップラー装置で測定をすることが多くなってきている.

パワーポイント「聴診で準備するもの
3) 実施方法
板書
妊娠末期の最良聴取部位
テキストP.5の図1-2「胎児心音の聴取」での「b.妊娠末期の最良聴取部位」の図を提示する.

説明
テキストP.4の「(3)準備するもの」を読む.

聴取部位は,原則として胎児心音が最も明瞭に聞こえる部位を聴取する.最良聴取部位は,胎児の子宮内での位置(胎位・胎向・胎勢)によって決まるので,聴診の前に触診をして確認をする.
⇒テキストP.4の「聴取部位」を読む.

方法については,(1)〜(4)の説明を読む.
聴診器で聴取される音には,胎児由来の胎児心音,臍帯雑音,胎動音と母親由来の大動脈音,腸雑音などがある.妊婦の橈骨動脈で脈拍を確認しながら聴診をすれば,胎児由来の心音と母胎由来のものとが判別できる.
超音波ドップラー装置では,プローブと呼ばれる胎児心音を感知する部に超音波用ゲル等を塗布し,妊婦の腹壁に密着させることが必要である.そのため聴診後は腹部に残ったゲル等を丁寧に拭き取る.

トラウベ桿状聴診器は平らなほうは検者の耳にぴったりと密着させたまま,聴診器がずれないように妊婦の腹壁に直角に当てて保持して手を離す.超音波ドップラー法のように聴取範囲は広くないので,事前の触診法で的確に最良聴取部位を確認することが必要となる.
⇒テキストP.5の「留意点」を読む.


パワーポイント「妊娠末期の最良聴取部位
ファントム,聴診器を用いた聴診の実施の動画や写真があれば視聴・提示する.
4) 評価
説明
テキストP.5の「(4)評価」を読む.
胎児心音は,通常5秒間の心拍数を3回連続して聴取して,その数で評価する.例えば,「11,12,12」のように表す.1分間聴取してリズムや強弱等も観察する.1分間の胎児心拍数の正常範囲は110〜160回/分で,そのため5秒間では11〜13回が正常範囲である.逸脱する場合には必ず分娩監視装置を装着して胎児心音の推移を評価する.
詳しくは,テキストP.21の「6 胎児の発育とwell-beingの評価:NST」で説明する.

第4
段階
35分
4.
触診
板書
触診とは
妊婦の身体に手で触れ,触覚を活用して皮膚や身体各部の形態と機能を把握し,妊娠が正常に経過しているか,異常をきたしていないかを判断すること.

説明
テキストP.6の「(1)目的」を読む.
触診は,妊婦の身体に手で触れ,触覚を活用して皮膚や身体各部の形態と機能を把握し,妊娠が正常に経過しているか,異常をきたしていないかを判断する.

パワーポイント「触診とは
1) 目的
説明
テキストP.6の「(1)目的」の続きを読む.
触診では,妊娠各期で生じる妊婦の特徴的な変化をとらえ,正常に経過しているか,逸脱していないかを的確にアセスメントする.
触診は全身の診察に用いられるが,妊娠期に特徴的な診察としては,腹部,乳房,下肢の触診が重要である.

2) 実施方法
説明
テキストP.6の「(2)実施方法」を読む.

3) 評価
説明
テキストP.6の「(3)評価」を読む.
腹部の触診は,レオポルド触診法について説明する.
乳房の触診は,視診の後,温めた手で行うが,詳しい実施方法はP.13の「3 乳房の手当て」で説明する.
下肢の浮腫は妊娠後半期に出現しやすく,顔面,上肢などの他の部の出現の有無,体重の増加状況,妊娠高血圧症候群の症状,高血圧,蛋白尿の有無を関連づけて評価することが重要である.

4) レオポルド触診法
板書
レオポルド触診法
テキストP.7の図1-3「レオポルド触診法」を提示する.

説明
テキストP.6の「(4)レオポルド触診法」を読む.
妊婦の腹部の触診法であるレオポルド触診法は,妊婦の腹壁上から子宮内の胎児を触診し,妊娠15週ごろ以降は,子宮の大きさや子宮底の高さ,胎児の存在を観察する,妊娠24〜27週ごろ以降は胎児部分を触れて胎児の位置(胎位・胎向・胎勢)を観察する方法である.

腹壁上から触診することによって子宮を刺激することになるので,流早産の徴候が認められるときは行わない.
⇒テキストP.6の「目的・適応」を読む.

準備するものは,診察台に横臥してもらい腹部を露出するので,枕,適宜覆う掛け物を準備する.
⇒テキストP.6の「準備するもの」を読む.

特に重要な留意点として,妊娠後半期の妊婦が仰臥位になることによって,増大した子宮が妊婦の腹部下大静脈を圧迫し低血圧を生じ,仰臥位低血圧症候群を起こしやすい点である.気分不快等の症状が出現した場合には,直ちに側臥位等に体位変換し,バイタルサインを測定,回復することを確認する.
⇒テキストP.6の「留意点」を読む.

実施方法は,テキストP.7の図1-3「レオポルド触診法」のように第1段から第4段まであり,それぞれに観察項目がある.それらを念頭に置いて実施とともに評価しながら進める.
⇒テキストP.6の「実施方法,評価」と図1-3「レオポルド触診法」の説明を読む.その後,P.8の「実施方法,評価」の続きを読む.


パワーポイント「レオポルド触診法
資料映像「レオポルド触診法」を視聴する.
指示
では,みなさん触診を実施してみましょう(15分).

時間があれば,生体モデルを使って,学生に実施させる.
第5
段階
10分
5.
計測診
板書
計測診とは
計測とは,妊娠期間を通して変化する妊婦の体格や腹部を数値で把握すること.

説明
テキストP.8の「(1)目的・適応」を読む.
妊娠期間を通して変化する妊婦の体格や腹部を数値で把握することにより,胎児の発育状態,妊娠週数を推定する.

パワーポイント「計測診とは
1) 目的・適応
説明
テキストP.8の「(1)目的・適応」の続きを読む.
計測診は,妊婦および胎児が妊娠期間を健康に経過し,安全かつ安楽な分娩〜産褥期を経過するために,妊婦健康診査が行われている(ナーシング・グラフィカ30「母性看護学 母性看護の実践の基本」P.129を参照).
妊婦健康診査の計測診の内容には子宮底長・腹囲の測定,身長・体重計測,血圧測定,尿検査が含まれている.

2) 準備するもの
説明

テキストP.8の「(2)準備するもの」を読む.

計測診で計測するものによって準備する.子宮底長・腹囲の測定では,腹部の露出を最小限にするための掛け物とメジャーが必要である.血圧測定では血圧計等になる.

3) 実施方法,評価
板書
計測診の実施方法
テキストP.8の図1-4「子宮底長の測定」,P.9の図1-5「子宮底高の測定」,図1-6「腹囲の測定法」を提示する.

説明
テキストP.8の「(3)実施方法,評価」を読む.
子宮底長は,恥骨結合上縁中央から子宮底までの距離である.
測定方法には,安藤法(仰臥位で両足を伸展して子宮底の最高位にいたる子宮の前壁の長さを測定する),今井法(恥骨結合上縁中央から子宮体前面が腹壁に接する最高点を測定する)がある.

妊娠経過における変化を的確に把握するために,妊娠期間を通して同一の方法をとる.
⇒テキストP.8の「子宮底長の測定」を読む.

子宮底高は,子宮底の高さを妊婦の恥骨結合上縁,臍,剣状突起を基準として,施行者の指幅を単位として測る.
たとえば,子宮底が恥骨結合上縁より施行者の指幅で三つ分上方に位置する場合は,「恥骨結合上三横指」,臍と同じ高さの場合は「臍高」という.
⇒テキストP.8の「子宮底高の測定」を読む.

腹囲は,一般的に臍を通過する腹部周囲を測定する.最大周囲と思われる部を3カ所測り,その平均値をとる方法もある.いずれの場合も診察台と垂直に交わるようにメジャーを当てることに留意する.
⇒テキストP.9の「腹囲の測定」を読む.

パワーポイント「計測診の実施方法
資料映像「子宮底長の測定」「腹囲の測定」を視聴する.
身長・体重計測,血圧測定も,妊婦の計測診としては重要である.計測方法は,基礎看護技術と同様である.
アセスメントの際,妊婦の身長が150cm未満の場合は,骨盤が小さく無事に経腟分娩ができないので,児頭骨盤不均衡の可能性を予測するために骨盤外計測を行うことがあり,実際にはX線撮影法や超音波断層法で診断している.

過度の体重増加と妊娠高血圧症候群の発症,極端な栄養摂取不足と低出生体重児や胎児の発育障害との関連が指摘されているので,妊娠期間を通して標準的な体重増加範囲内で経過するようにアセスメントをすることも重要である.
⇒テキストP.9の「身長・体重」,「血圧」を読む.


時間があれば,骨盤外計測の測定部,測定方法(骨盤計の持ち方)なども説明する.
まとめ
5分
授業のまとめ
説明
学習目標に沿って項目を説明する.

課題
以下の視点について整理する.
1. 問診:目的,項目,留意点
2. 視診:目的,項目,留意点,評価
3. 聴診:目的,項目,留意点,評価
4. 触診(レオポルド触診法を含む):目的,項目,留意点,評価
5. 計測診:目的,評価
上記1〜5.の各技術が修得できるように復習をする.

予習
テキストP.11〜15を読んでくること.