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25分
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板書
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1. |
分類
1) |
部位別:気道(上気道,下気道),肺,胸膜,縦隔 |
2) |
原因菌別:細菌性,非細菌性 |
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2. |
代表的な病原微生物
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1) |
形態・性状 |
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2) |
抗原変異と流行性 |
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3) |
感染経路と臨床像 |
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4) |
診断と治療 |
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5) |
予防 |
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説明
○ |
形態と性状(テキストP.11 図2.1-1「A型インフルエンザウイルス(模式図)」参照) |
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1. |
RNAウイルスで,エンベロープをもつ. |
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2. |
抗原性によりA型,B型,C型に分類.A型,B型が主に流行する. A型ウイルスではさらに,エンベロープ上にある2種類の糖タンパク〔ヘモアグルチニン(赤血球凝集素,HA)とノイラミニダーゼ(NA)〕の抗原性による亜型があり,抗原変異を起こしやすい.
現在はA型の2種類(H1N1,H3N2)とB型が世界的に流行. |
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3. |
連続抗原変異は,同一の亜型内の抗原性の変異で,毎年のように起こる.不連続抗原変異とは,別の亜型への変異で,数年から数十年単位で起きる.不連続抗原変異は新型ウイルスの登場を意味し,大流行の原因となる.
2003年以降,東南アジア中心に鳥の間で鳥インフルエンザが流行.さら高病原性鳥インフルエンザウイルスによるヒトの感染者および死亡者も報告された.
2009年4月,メキシコに端を発したブタ由来インフルエンザA/H1N1は世界規模で拡大.
今後,さらに毒性の高い型へ変異したウィルスにより流行が危惧される. |
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1. |
インフルエンザを起こす. |
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2. |
感染経路は飛沫感染. |
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3. |
潜伏期は1〜3日.例年11月下旬〜3月に流行する. |
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4. |
高熱・頭痛・関節痛など,普通感冒に比べて全身症状が強い. |
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1. |
臨床症状による診断,迅速キットによるインフルエンザ抗原の検出が一般的(約15分).ウイルス分離やウイルス抗体価の上昇があれば診断は確実であるが,検査に時間がかかる. |
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2. |
治療は,抗ウイルス薬による.アマンタジンは,A型インフルエンザだけに有効.ザナミビルやオセルタミビルは,A型,B型ともに有効.いずれの抗ウイルス薬も,発症後48時間以内に投与されないと効かない.
なお,2005年11月にはオセルタミビル服用後の異常行動が報告されたが,現時点では因果関係が明らかになっておらず,厚生労働省は添付文書の改訂を指示している. |
○ |
予防(テキストP.12 表2.1-1「インフルエンザワクチンの接種が推奨される対象」参照) |
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1. |
ワクチン接種が推奨されている.抗原型が合わないと効果が劣ることがあるが,社会全体としての流行を抑えることにより,高齢者や幼少児などのハイリスク群の罹患・入院・死亡を減らす. |
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1) |
形態・性状 |
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2) |
生息部位と感染成立 |
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3) |
臨床像 |
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4) |
診断と治療・予防 |
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説明
○ |
形態と性状(テキストP.13 図2.1-2「肺炎球菌の形態(双球菌)」参照) |
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1. |
グラム陽性球菌で,双球菌の配列をとる. |
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2. |
莢膜があるので,好中球の食作用に抵抗し,強い病原作用を発揮する. |
○ |
生息部位と感染成立
健常人でも鼻腔や咽頭に常在している場合があるが通常は発病しない.
気道粘膜のバリア損傷など,免疫能が低下すると,発病することがある. |
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1. |
肺炎,中耳炎,副鼻腔炎などを起こす. |
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2. |
肺炎は大葉性肺炎の形をとる.成人の市中肺炎の約3分の1を占める. |
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1. |
病巣由来の検体からの肺炎球菌の分離同定による. |
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2. |
その他,肺炎球菌の尿中抗原検出キットが開発された. |
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1. |
ペニシリンが第一選択であるが,ペニシリン耐性肺炎球菌が増加している. |
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1. |
肺炎球菌ワクチンがあり,日本でも普及しつつある. |
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1) |
定義 |
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2) |
特徴と分類 |
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3) |
臨床像と病原微生物 |
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説明
○ |
呼吸器感染症とは,微生物による呼吸器系の炎症. |
○ |
分類(テキストP.15 表2.1-2「呼吸器感染症の分類」参照) |
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1. |
感染部位(上気道と下気道,肺,胸膜,縦隔) |
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2. |
病因(細菌性,非細菌性)
鼻と喉は,呼吸に伴って最も微生物が侵入しやすい場所であるので,感染症のなかでも呼吸器感染症が最も多い. |
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1. |
普通感冒(鼻かぜ)が多く,大抵はウイルスによる.
(テキストP.16 表2.1-3「かぜ症状を起こす主な病原ウイルス」参照) |
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2. |
その他,よく知られている疾患として,
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A群溶血性レンサ球菌による,扁桃炎 |
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コクサッキーウイルスによる,ヘルパンギーナ |
・ |
アデノウイルスによる,咽頭結膜熱(プール熱) |
・ |
パラインフルエンザウイルスによる,クループ症候群 |
などがある. |
| 1. |
急性か慢性か,基礎疾患があるかないかにより,病因が異なる.
(テキストP.16 図2.1-3「気管支炎を起こす主な病原微生物」,
P.17 図2.1-4「肺炎を起こす主な病原微生物」参照)
基礎疾患がある場合は,日和見感染(テキストp132〜133参照)を起こす微生物であることが多い(テキストP.133 表3.6-2「日和見感染を起こす主な臨床微生物・医動物」参照). |
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2. |
細菌性肺炎では,炎症によって肺胞に浸出液がたまり,レントゲンでみると,その肺葉全体に均質性の肺炎像が認められる「大葉性肺炎」の形をとることが多い.これが,定型的な肺炎像である.強い咳と黄色痰,高熱を伴う.
代表菌種は,肺炎球菌,インフルエンザ菌など. |
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3. |
マイコプラズマ,クラミジア(クラミドフィラ),ウイルスなどによる肺炎では,肺胞内よりも間質部分の炎症が主体で,レントゲンでは,気管支から引き続いて広がる網目状にみえる「間質性肺炎」をとるので,非定型肺炎(異型肺炎)と呼ばれる.発熱や激しい咳の割に,痰は少ない. |
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説明
○ |
呼吸器感染症に関連したワクチンの種類
(テキストP.187 図5.1-1「主なわが国の現行ワクチン(2009年4月1日現在)」参照)
BCG,ジフテリア,百日咳,肺炎球菌,インフルエンザなどがある. |
○ |
高齢者で重症化しやすいインフルエンザと肺炎球菌性肺炎の予防策として,インフルエンザワクチンと肺炎球菌ワクチンが注目されている.
インフルエンザワクチンは,高齢者では定期接種として扱われているので,公費で接種できる.
肺炎球菌ワクチンは,任意接種である. |
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