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2回 授業案:第2章 細胞と組織−体を構成するしくみ− (1)
学習項目
1. 細胞の構造
2. 核,細胞膜,細胞内小器官の構造と機能
3. 細胞の機能,物質輸送
4. 細胞分裂
今回の目標
細胞の構造が理解できる.
細胞を構成する核,細胞膜,細胞内小器官の構造と機能がそれぞれ理解できる.
細胞の機能で物質輸送について理解できる.
細胞分裂の過程が理解できる.
使用する教材・準備物
テキスト: ナーシング・グラフィカ1 人体の構造と機能 解剖生理学,メディカ出版
書き込み資料: 細胞図,核の図,細胞内小器官の図
資料映像: ナトリウムポンプ」「DNAの複製」
パワーポイント 1〜3
講義の工夫点・留意点
1. 書き込み資料を利用し,名称を覚えられるようにする.
2. イメージ図で構造と機能を理解できるようにする.
3. 名称や言葉の説明をていねいにする.
講義の評価視点
1. 授業への出席・参加態度,一緒に取り組み,考えようとしているか.
2. 構造,機能の想起を試験で問い,知識の定着をみる.
学生への自己学習課題
○予習
 テキスト(P.20〜42)を読んでくる.

○復習
 下記の点について整理できる.
 1.細胞の構造と機能
 2.核,細胞膜,細胞内小器官の構造と機能
 3.細胞の機能,物質輸送について
 4.細胞分裂について

段階
時間
指 導 内 容
指 導 方 法
留 意 点
導入
5分
□学習目標の提示
板書(授業終了まで消さない)
学習目標
 
1. 細胞の構造と機能の理解
2. 核,細胞膜,細胞内小器官の構造と機能の理解
3. 細胞の機能,物質輸送の理解
4. 細胞分裂過程の理解

パワーポイント1
「学習目標」
講義終了まで残し,終了時,学習の理解度を確認する.
第1
段階
10分
□細胞の構造と機能
 細胞の概観
 
 
1)大きさ
 
 
2)形のいろいろ
  
 
 
3)機能
  
書き込み資料でイメージする.図で理解しよう.

指示
○名前を書き入れ覚えよう.
 細胞膜
 細胞質:細胞内小器官
 核:核液・核小体,染色質
直径10〜30μm(マイクロメートル)のものが多い
最も大きく肉眼で唯一見えるものは,
卵細胞(200μm)
球形,卵円形,立方形,柱状,扁平,星形

説明
球形:血液中を流れる
卵円型:最も多い
星形:神経細胞
説明
新陳代謝し,成長し,刺激に反応するためさまざまな機能があるが,主たるものとして,1)物質輸送,2)タンパク質合成,3)細胞分裂がある.
書き込み資料を配付〜細胞の図〜

○memo:
知っておこう!
1mm⇒1,000μm
 (1,000マイクロメートル)
1μm⇒1,000nm
 (1,000ナノメートル)
1nm⇒1,000pm
 (1000ピコメートル)
星形には突起をもつものがある.大きさは核付近の細胞体で表す.
第2
段階
40分
核,細胞膜,細胞内小器官の構造と機能
 
1.


1)数
2)形
3)概観

4)核質
5)核小体
6)染色質
 
2. 細胞膜
1)構造
 
 
2)機能
 
3. 細胞内小器官
 
 
1)ミトコンドリア
 
 
2)小胞体
・種類
・構造
 
 
3)ゴルジ装置
 
 
4)リボソーム
 
 
・リボソームとゴルジ装置
 
 
5)リソソーム
 
 
6)細胞骨格
 
 
7)中心子(中心体)
○書き込み資料で核を確認.

説明
テキストP.24
図2-1「染色質の構造」参照
○通常1個(肝細胞2個,筋細胞などは多数)
○球形が多い.
○核膜(2分子層)で細胞質と隔てられる.
○核液,核小体,染色質
○RNAが主リボソームを産生.
○DNAが主細胞分裂に果たす役割大.
○染色質の構造
説明
○特殊なタンパク質が挟まった状態
○脂質二重分子層
テキストP.25
図2-2「細胞膜」参照
板書・説明
 
1. 受容体(レセプター)としての役割
2. 細胞同士の接着分子としての役割
3. 相互の細胞の認識
4. 抗原抗体反応に関与
説明
ミトコンドリア,小胞体,ゴルジ装置,リボソーム,リソソーム,細胞骨格,中心子からなる.
テキストP.27
図2-4「細胞内小器官」
説明(構造)
○DNAをもち,自らが増殖する生命体
○細胞が呼吸するエネルギーを供給,産生する.
○代謝に影響し,TCA回路に関与する.
テキストP.27
図2-5「ミトコンドリア(模式図)」
説明
粗面小胞体リボソームが付いている小胞体
滑面小胞体リボソームが付いていない小胞体
細胞質のなかで発達した網の目のような構造をもつもので,形質内網状構造と呼ばれる.
説明
リボソームで合成されたタンパク質を加工する働きとリソソームを作る働きに関与する.
説明
リボソームRNAとタンパク質から成り,アミノ酸合成,タンパク質合成にかかわる.
説明
粗面小胞体のリボソームで作られたタンパク質がゴルジ装置で成熟し分泌される様子.
テキストP.28
図2-6「粗面小胞体とゴルジ装置」
説明
形状・大きさはさまざま.細胞外から進入した異物を加水分解・取り込み消化することで防御機能をもつ.最後は自家融解する.
テキストP.30
図2-8「リソソームの経路」
説明
細胞の形を保ち,マイクロフィラメント,中間径フィラメント,微細管といった構造体がある.
説明
細胞分裂のときに重要な役割を果たす.DNAの糸を引っ張り合う.
テキストP.31
図2-9「中心子の立体模型図」
核の構造を模式図で理解〜核の図〜
細胞膜は水に落とした石鹸の油膜のようなイメージ.
パワーポイント2
「細胞膜の機能」
書き込み資料でイメージ化〜細胞内小器官の図〜
○イタリア人のゴルジが発見.
第3
段階
30分
□細胞の機能
 
1. 物質輸送
1)種類
 
 
2)受動輸送
 
 
3)能動輸送
 
2. 細胞分裂と遺伝情報
 
 
1)方法
 
 
2)分裂過程
 
 
3)細胞周期
 
 
4)生殖細胞と減数分裂
板書
  物質の輸送
  受動輸送:エネルギーの消費を伴わない.
  能動輸送:エネルギーの消費を伴う.
説明
○酵素・グルコース・水

説明
○輸送の方法について
 
1. 拡散:濃度の勾配によって移動.分子の小さいもの(水・CO2など)
2. 浸透圧:細胞膜などの半透膜を介する溶媒の拡散
テキストP.33
図2-10「細胞膜を介した拡散」
テキストP.34
図2-11「浸透圧(モデル)」
説明
大きい分子,イオン,濃度勾配に逆らって膜を通過するもの.代表:溶質ポンプ輸送
テキストP.34
図2-12「ナトリウム-カリウムポンプ」

説明
溶質ポンプ輸送――ナトリウム-カリウムポンプ
物質が濃度の低い方から高い方へ移動.
自然の流れと逆(エネルギー消費)
Na細胞外液に多く,細胞内液に少ない.
濃度勾配では外液→内液となるが,そうならないためにナトリウム-カリウムポンプが常時Naを細胞内からくみ出している.
説明
人体が傷を受けても修復するのは,この分裂と増殖のおかげである.同じ遺伝情報を増やすものと,他の遺伝子の一部と交換して遺伝子情報を変化させるものがある.
説明
有糸分裂(体細胞の場合)
説明
分裂前期:染色質の糸が明確になり中心子から紡錘糸がでる.
       ↓
分裂前中期:核膜が消える.
       ↓
分裂中期:中心子が赤道に直角に移動.
       ↓
分裂後期: 中心小体からでる糸で引っ張られて,染色体と細胞が“くの字”になる.
       ↓
分裂終期:細胞が2つに分かれる.
テキストP.38
図2-16「細胞分裂と細胞周期」
説明
分裂期と分裂間期
何回かの繰り返しのうち,細胞死する.細胞の種類によって数時間単位のものから一生のもの(神経細胞)まである.

テキストP.41
図2-19「減数分裂」
パワーポイント3
 「物質の輸送」
生理学的に重要な点を強調.



パワーポイント
資料映像:ナトリウムポンプ
パワーポイント
「資料映像:DNAの複製」
○有糸分裂の過程
まとめ
5分
□本時の学習目標の確認
□予習・復習について
課題
  1. 学習目標4点が理解できたか.
  2. 参考文献の紹介
  3. 次回の授業範囲,テキスト(P.42〜53)を読んでくるよう指示する.
  4. 小テストについて(実施する場合)
次回のはじめに,理解度確認のための小テストを実施することを予告する.
○振り返り復習しておくこと.