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2回 授業案:第2章 ヘルスアセスメントの視点(1) 1 一般状態のアセスメント/2 問診
学習項目
1. ヘルスアセスメントの視点
2. 一般状態のアセスメント
1) 一般状態とは
2) バイタルサインを測定し,アセスメントしてみる
3) )ロールプレイの振り返り
4) 一般状態をアセスメントしてみる
3. 問診
1) 問診を体験する
2) 有効な問診のための心掛け
今回の目標
個々のアセスメント項目に関して,その方法と得られたデータの評価ができ,記録できる.
効果的な問診技法を用いることにより,看護援助に生かすことのできる有益な情報を得ることを理解し,実施できる.
使用する教材・準備物
テキスト: ナーシング・グラフィカ17 基礎看護学 ヘルスアセスメント,メディカ出版
ナーシング・グラフィカ1 人体の構造と機能 解剖生理学,メディカ出版
学習ノート: 解剖生理学
物品: 聴診器
資料映像: 問診
パワーポイント
講義の工夫点・留意点
1. 既習知識を想起させ,より根拠を明確にする.
2. わからないことは,その場で調べる訓練をする.
3. 学生自身の興味,関心を引き出し,発問・対話を多く持つ.
4. 体験を通して学習を進める.
5. 倫理的配慮を怠らない.
講義の評価視点
○教員への評価視点
1. 講義の内容,方法
2. グループワークへの関わり
3. 講義の満足度

○学生への評価視点
1. 授業への参加,参加態度
2. 文献の活用
3. 課題の提出状況
学生への自己学習課題
○予習
1. テキスト(P.7〜17)を読んでくる.
2. ナーシング・グラフィカ1 「人体の構造と機能 解剖生理学」の「5.循環器系」(P.90〜119),「6.呼吸器系」(P.120〜149)を読んでくる.

○復習
1. 第1回の講義をふまえ,身近な家族の一般状態の情報収集とそのアセスメントを行う.
2. 次回までに3日間の食事調査を行ってくる.

段階
時間
指 導 内 容
指 導 方 法
留 意 点
導入
5分
前回の学習内容の想起

□学習目標の提示
○前回の学習内容について課題を用いながら確認する.

板書(授業終了まで消さない)
学習目標

1. 個々のアセスメント項目に関して,その方法と得られたデータの評価ができ,記録できる.
2. 効果的な問診技法を用いることにより,看護援助に生かすことのできる有益な情報を得ることを理解し,実施できる.

3,4人に確認する.

パワーポイント「今回の学習目標
今回の学習を動機づける.
講義終了まで残し,終了時,学習の理解度を確認する.
第1
段階
20分
(5分)
ヘルスアセスメントの視点
板書
ヘルスアセスメントの視点

説明
看護に必要な情報を得るための枠組み(アセスメントツール)を活用しながら,あらゆる技術を活用して,主観的・客観的情報を得る.

パワーポイント「ヘルスアセスメントの視点
一般状態のアセスメント
1) 一般状態とは

発問
一般状態とはなにか?
→2,3名を指名する.

予想回答
普段,普通の状態

学生の認識の確認.

板書
一般状態とは
呼吸,脈拍,血圧,体温,意識状態,尿量,栄養状態などの全身所見.

テキスト P.9 表2-1「一般状態の視診項目」
テキスト P.9 表2-2「バイタルサインの測定項目」
テキスト P.11〜13 表2-3「血圧・体温の測定方法」


パワーポイント「一般状態とは
解剖生理学や,基礎看護技術で習得したバイタルサインについて想起させる.
(15分)
2) バイタルサインを測定し,アセスメントしてみる
ロールプレイ
バイタルサインがあらわす意味について,確認後,ロールプレイをしてみる.
三人一組になり,学生同士で実施.観察者は看護者役,患者役を観察.測定終了後,3人で振り返りを行う.(自由討論)

第2
段階
40分
(10分)
3) ロールプレイの振り返り
板書
振り返りの視点
1) 適切な環境であったか
2) 説明と了解を得ていたか
3) 適切なコミュニケーションが取れたか
4) 道具の使い方は適切か
5) 得られたデータを正しく解釈,分析できたか
6) その他気付いたこと

パワーポイント「ロールプレイの振り返りの視点

発問
実施してみて気付いたことは?
→各グループ1人ずつ指名する.

予想回答
測定技術が難しい,得られたデータの解釈が難しいなど

学びの確認
説明
観察・測定技術だけでなく,コミュニケーション技術や環境調整などが大切であることに気付かせる.
バイタルサイン以外の一般状態をアセスメントするためには,道具(測定用具)を使用する以外に,看護者の五感を十分に活用し,ヘルスアセスメントに必要なデータを収集する.

アセスメントテクニックについては6回目の講義で説明する.
(30分)
4) 一般状態をアセスメントしてみる.
ロールプレイ
三人一組になり,学生同士で実施.観察者は看護者役,患者役を観察.測定終了後,3人で振り返りを行う.(自由討論)

発問
実施してみて気付いたことは?
・看護者役が感じたこと
・患者役が感じたこと
・観察者が感じたこと
→各グループ1人ずつ指名する.

予想回答
何を尋ねてよいかわからない,雰囲気に気をつけたなど.

学びの確認
説明
行為中に1)視点が明確になっていたか,2)看護師の五感を十分に活用していたか,ということについて,学生の意見を一つずつ確認していく.

基準・標準値だけでなく,発達段階や文化的背景を踏まえた上でアセスメントすることを想起させる.
第3
段階
20分
問診について
1) 看護職者にとっての意義
板書
問診とは
対象者の健康上の問題に関する情報(健康歴)を得ることを目的とする

パワーポイント「問診とは
1) 問診を体験する
ロールプレイ
問診を体験する.
「一週間前から空腹時の腹痛に気付き,受診行動をとった対象者に問診してみる」(3分)
三人一組になり,学生同士で実施.観察者は看護者役,患者役を観察.測定終了後,振り返りを行う.

体験から位置関係,雰囲気,聞き方,話し方など問診の基本的な心がけについて意見が出るよう仕向ける.
板書
振り返りの視点
1) 患者役は看護者からどのように尋ねられたか.
2) 看護者はどのような情報を得るために,どのような聞き方をしたのか.
3) 観察者が二人の言動から気付いたことは何か..

パワーポイント「ロールプレイの振り返りの視点

気付いたことをノートに書き出してみる.

2) 有効な問診のための心掛け
板書
有効な問診のための心掛け
1) 問診をするための環境(雰囲気,場所,位置関係)
2) 挨拶と自己紹介
3) 聞き方
4) 話し方

説明
学生の体験から出た意見を板書しながら1)〜4)についての行為を振り返り,質問の仕方,看護者の態度が,対象者に影響を与える.
パワーポイント「有効な問診のための心掛け
パワーポイント資料映像:問診
まとめ
5分
本時の学習目標の確認

課題
1. 前回の講義で事例として取り上げた家族の一般状態について,情報収集とそのアセスメントを行う.
提出期限(○月○日 ×時まで)

講義に対する質問があれば受ける.
予習・復習について
2. 以下の3点を次回持参する.
・3日間の食事調査表
・栄養学のテキスト
・食品成分表などの参考文献
3. 次回の講義までに,テキスト(P.18〜23)を読んでくる.
4. ナーシング・グラフィカ1 「人体の構造と機能 解剖生理学」の「7.消化器系」(P.150〜185),ナーシング・グラフィカ2 「人体の構造と機能 臨床生化学」の「4-1.糖質代謝」(P.52〜64),「4-2.脂質代謝」(P.65〜77),「タンパク質とアミノ酸の代謝」(P.78〜85)を読んでくる.
5. 小テストについて(実施する場合)
次回の講義のはじめに,理解度確認のための小テストを実施することを予告する.

次回の学習内容の提示と,持参物の確認を行う.