ワード等のソフトをお持ちの場合ここをクリックするとこのページを開くことが出来ます。


2回 授業案:第2章 生命維持に必要な栄養素の構造と性質(1)
学習項目
1. 細胞
1)細胞の性質
2)細胞小器官
2.

糖類
1)糖の構造
2)糖の分類
   ・単糖類
   ・オリゴ糖(少糖)類
   ・多糖類

今回の目標
細胞の構造について理解できる.
個々の細胞小器官の構造と役割について理解できる.
糖の構造と特性について理解できる.
糖を重合度から分類できる.
さまざまな糖について,主な所在と特性を理解できる.
使用する教材・準備物
テキスト: ナーシング・グラフィカ 2 人体の構造と機能 臨床生化学,メディカ出版
資料映像: 1.細胞膜のはたらき
2.ナトリウムポンプ
パワーポイント
講義の工夫点・留意点
1. 細胞が生命の最小単位であることをイメージさせる.
2. 解剖生理学の知識を元に主な細胞小器官の名称と働きを再確認する.
3. 糖の構造上の特性を理解させるために図を使用する.
4. 主な糖の名称と構造・所在・特性を理解させる.
講義の評価視点
○教員への評価視点
 
1. 発問に対する学生の反応.
2. 特に重要な項目についての強調,繰り返しができているか.
3. 時間内に分かりやすく説明できているか.

○学生への評価視点
 
1. 授業への出席・参加態度.
2. 口頭で知識の定着を確認する.
学生への自己学習課題
○予習
 
テキストP.7〜16を読んでくる.

○復習
 
下記の点について整理する.
1.主な細胞小器官の名称と機能
2.糖の構造上の特性と,主な糖の名称・所在・特性

段階
時間
指 導 内 容
指 導 方 法
留 意 点
導入
5分
学習目標の提示
板書(授業終了まで消さない)
学習目標
 
1. 細胞が生命の最小単位であることをイメージさせる.
2. 解剖生理学の知識を元に主な細胞小器官の名称と働きを再確認する.
3. 糖の構造上の特性を理解させるために図を使用する.
4. 主な糖の名称と構造・所在・特性を理解させる.
パワーポイント「学習目標
今回の学習を動機づける.
板書の学習目標に対して,自己点検させる.
第1
段階
15分
細胞
1) 生命と細胞

 
板書
人体の構成
個体
器官
臓器
組織
細胞


説明

人体の構成
器官:循環器系,神経系,消化器系など
臓器:循環器系−心臓,血管など
    消化器系−胃,小腸,大腸など
組織:上皮組織,支持組織,筋組織など同じ働きを示す細胞の集団
細胞は,生命をつかさどる最小単位であり,細胞内には膜で囲まれた小器官が存在し,それぞれ特有の機能をもつ.
パワーポイント「人体の構成
解剖生理学で既に学習済みであれば,器官名・臓器名などを答えさせてもよい.
第2
段階
15分
 2)主な細胞小器官
板書
主な細胞内小器官
(1) 細胞膜
細胞内外の境界
リン脂質の二重層構造でできている
テキスト P.10 図2-2 細胞膜のリン脂質二重層
資料映像: 1.細胞膜のはたらき
2.ナトリウムポンプ
細胞内外への物質の輸送
エンドサイトーシスとエキソサイトーシス
能動輸送と受動輸送
(2) リボソーム
タンパク合成の場
(3) ミトコンドリア
2枚の膜で,内膜はひだを形成し,エネルギー産生の場
(4) ゴルジ装置
リボソームで合成されたタンパク質を修飾し,生理的な働きをもたせる.
(5)
核膜に覆われDNA(遺伝情報の設計図)を含む.

説明
テキストP.8 図2-1 一般的な細胞にみられる細胞小器官の図で,細胞小器官の形を確認しながら説明する.
板書以外の小器官については口頭のみで説明する.

パワーポイント「主な細胞内小器官
重要語句をテキストにマーカーでチェックする.







リソソームと混同しない.

ナーシング・グラフィカ1 解剖生理学のP.27 図2-5 ミトコンドリア(模式図)の図参照.



DNAについては4回の講義で詳しく説明する.

第3
段階
30分
(5分)



(10分)










(15分)

糖類

 1)糖の構造(単糖の構造)












単糖を構成する炭素数からの糖の分類
発問
○知っている糖の名称は?




板書
 糖の特色
 
主にC(炭素),H(水素),O(酸素)からなる.
2個以上の水酸基をもつ→多価アルコール
アルデヒド基またはケトン基をもつ→アルドースとケトース
→テキストP.11 図2-3 アルドースとケトース
糖の最小単位は単糖である.

板書
 単糖を構成する炭素数からの糖の分類
 ・三炭糖(トリオース)
 ・四炭糖(テトロース)
 ・五炭糖(ペントース)
 ・六炭糖(ヘキソース)
 ・七炭糖(ヘプトース)

説明
単糖を構成する炭素数からの糖の分類
→重要なのは五炭糖,六炭糖
立体異性体
D体とL体の存在.体内ではほとんどがD体.
 →テキストP.13 図2-5 不斉炭素と立体異性体
鎖状構造と環状構造
五炭糖以上では環状で安定
α型とβ型の存在(αグルコースが連なったデンプンは消化できるが,βグルコースが連なったセルロースは消化できない)
→テキストP.12 図2-4 糖の鎖状構造と環状構造
3名程度に質問する.
所在や働きについて若干の説明を加える.


パワーポイント「糖の特色
水酸基,アルデヒド基,ケトン基の形を確認する.
パワーポイント「単糖を構成する炭素数からの糖の分類
単糖を構成する数からの糖の分類が分かる資料があれば用いる.
-OHの位置を確認する.

ブドウ糖の環状構造を示す図があれば提示,またはテキストの図で,Cに番号がついていることを確認しておくとよい.
第4
段階
15分
 2)糖の分類
  ・単糖類

  ・オリゴ糖(少糖)類

板書
 
糖の分類
(1) 単糖類
単独で存在したり,多糖などの基本単位となる物質.
(2) オリゴ糖(少糖)類
オリゴ糖は数個の単糖が結合したもの.
(3) 多糖類
同じ単糖が結合したホモ多糖,異なる単糖が結合したヘテロ多糖.
説明
単糖類
 
単独で存在したり,多糖などの基本単位となる物質
 グルコース=ブドウ糖=血糖(血液中)
 ・ 体内でのエネルギー代謝の中心,さまざまな糖の構成成分でもある.
→テキストP.14 図2-6 主な単糖類の構造で形を再確認(Cが6個,六角形で安定)する.
その他の単糖
→テキストP.14 図2-6 主な単糖類の構造
 ・ それぞれの糖の所在をテキストにマーカーでチェックする.
 ・ 五炭糖であるリボース,デオキシリボースは五角形で安定.六炭糖では,フルクトースが五角形であることに注目する.
説明
○オリゴ糖(少糖)類
 単糖が2〜10個程度結合(単糖の水酸基が脱水縮合;グリコシド結合)したもの.
 例: テキスト P.15 図2-7 主な二糖類の構造
マルトースでは,α1の水酸基と4の水酸基からH
2Oが抜けて,Oでつながった形である(セロビオースとの比較).
それぞれのオリゴ糖について,所在と構成単糖名をテキストにマーカーでチェックする.
説明
○多糖類:ホモ多糖とヘテロ多糖
 
主なホモ多糖
 デンプン(アミロースとアミロペクチン)
 グリコーゲン
 セルロース
→それぞれの特徴について,テキストにマーカーでチェックする.
主なヘテロ多糖
→名称を確認しておく.
パワーポイント「糖の分類
糖は最小構成単位の糖である単糖類の数から分類される.



五炭糖と六炭糖,五員環と六員環を確認する.


























デンプンとグリコーゲンの構造と結合様式が分かる資料があれば,直鎖・枝分かれ構造を確認する.
まとめ
10分

□本時の学習目標の確認
□予習・復習について
課題
  1. 下記の点についてノートにまとめてくる.
主な細胞小器官の名称と機能
糖の構造上の特性と,主な糖の名称・所在・特性
  2. 次回の講義までに,テキストP.17〜28を読んでくる.
  3.

小テストについて(実施する場合)
次回の講義のはじめに,理解度確認のための小テストを実施することを予告する.

生体の働きや代謝を学ぶ上で,必須となる用語を正しく理解することが求められる.